5月に入り、少しずつ日照時間も長くなってきましたね。
この春に新生活を迎えた方は、日々の生活にも徐々に慣れてきた頃かと思います。
私が主宰しているリトミックのお教室でも、この春から新しくご入会された方がたくさんいらっしゃいますが、特にこの時期に多いご相談があります。
それは、
『うちの子、他の子と違って落ち着きがないのですが大丈夫でしょうか…』
というご相談。
今回は、約3,000人の未就園児とその保護者の方にリトミック講座を開催してきた経験をもとに、このご相談について考えてみたいと思います。
★なぜ「うちの子は落ち着きがない」と感じるのか?
・みんながじっと座っているのに、自分の子だけ走り回る
・相手のお話を聞かずに話しはじめる
・思い通りにならないと泣きわめく
・次から次へとおもちゃを出して遊ぶ etc.
子どもの性格は人それぞれ、とわかっていても、どこかへお出かけしたり同年代の親子と交流する場所へ行くと、親はたとえ意識していなくても、つい子ども同士を比較してしまいがちです。そこで周囲の子どもよりもできないことがあると、徐々に不安を感じ始めてしまうのです。
★子どもの視点から考える、その「落ち着かない」理由とは?
子どもの目線になって考えてみると、その理由が少しずつ見えてきます。
例えば、
『自分の子だけ走り回っている』場合、下記の理由が挙げられます。
・今は走りたい
・ここで走ってみたい
・とにかく走るのが楽しい
・走っている自分を見てもらいたい
子どもは1歳前後で歩き始め、徐々に自分でできることが増えていきますが、同時に自己主張したり、様々なものに興味を持つようになっていきます。
リトミックのレッスンでは、静と動の時間があり、静では座って絵本を読んで想像力をはたらかせたり、音を聴きながら指先を使って絵を描いたり…と様々な活動をしますが、そこで走り回ってしまう子どもたちはきっと、上記のような理由があるように感じます。
★「落ち着かない」子どもとの接し方と魔法の言葉
先程も書きましたが、子どもの性格は人それぞれ。必ずしも、こうでなければいけない、という子育ての決まりはないのです。
子どもにも「落ち着かない」理由があるので、親や周りの大人たちはまず、それを受け止める、そして理解した上でコミュニケーションをとっていくことが重要であると考えます。
「走らないで!!!」「ちゃんと座って!!!」と叱るよりも、
「今は走りたいんだね」「走るのは楽しいよね」とまずは声掛けの仕方を変えてみます。
ただし、危険が伴う場合にはきちんと、「走るのは楽しいよね。でもお友達にぶつかってしまったら危ないから、座っていようね」と危険であることは伝える必要があると思います。
私のお教室でも、走り回る子どもはたくさんいます。
でも、よく観察してみると、その行動にはきちんと理由があって、ずっと走り続けているわけでもないのです。ふと見ると、よく音を聴いていたり、走りながらも表現しているんだなぁ、と感じることもあります。
ルールや規則をきちんと学んで理解していくのは小学生くらいからではないかな、と、この春小学生になった娘をみていて思うのです。
未就園児の時期は特に、子どもの性格を理解した上で、周囲の子どもと比較して悩むよりも、ほんの少しの「できた!」に喜びを感じられる日々でありたいですね。